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マクドナルドの「ピンクスライム肉」事件再燃! そこまで騒ぐ必要あるの?

deborahmiller56 / Pixabay

数年前に、ネット上を駆け巡った米国マクドナルドの「ピンクスライム肉」。その後、動きがあったようで、また注目をされています。

ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに勝った、肉の正体が明らかに

引用元:ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに勝った、肉の正体が明らかに

フェイスブックで何人もの知人がこの記事を紹介していますし、ブログで大騒ぎをしている方もおられます。

しかし、正直なところ、この記事を読んだだけでは、私には何が問題だったのかがよくわかりません。どういう裁判だったのかすら、調べても出てこないのです。

「動物性脂肪生地」と「アンモニア」は問題か?

上記の記事の書き出しには、こうあります。

オリヴァー氏が勝訴した裁判により、マクドナルドのハンバーガーの「肉」が、動物性脂肪生地とアンモニアから作られていることが証拠付けられた。

引用元:ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに勝った、肉の正体が明らかに

この一文だけで盛り上がっている人もいるようです。この中で、重要な情報は2つ。「動物性脂肪生地」と「アンモニア」です。

「動物の体内にある脂肪を固めた」だけ

まずは定義を調べてみました。

動物性脂肪

魚介類を含む動物の乳,肉,卵などの脂肪.

引用元:コトバンク

ごくごく身近なものです。この意味だと何の危険性も感じません。他のサイトでも調べてみましょう。

動物の体内に主に含まれている脂肪を動物性脂肪(英:Animal fat)という。

引用元:Wikipedia

ということは「動物性脂肪生地」とは、そのまま解釈すれば「動物の体内にある脂肪を固めた生地」となります。日頃から食べている食材にも含まれている動物性脂肪で作られた生地の一体何が問題なのでしょうか。

「アンモニア」だけで「危険」だと断定できない

では、アンモニアはどうでしょう? たしかに大量に吸い込んだり、皮膚に付着したりすると、危険な物質ではあります。しかし、度を越えた量が危険なことはどんな物質にも言えることです。

実は、身近にアンモニア成分を含む食品は存在しています。臭いがきついと言われるものが代表的です。

例えば、納豆。

アンモニアそのものは微生物の代謝の結果なので多くてもかまわないのですがいやなにおいは困ります。

引用元:道南平塚食品株式会社

納豆独特のあの臭いは、アンモニアだったのです。

他にも、くさややチーズなども同様です。発酵食品の中には、アンモニア成分が含まれていることは珍しいことではありません。

ちなみに、余談ですが「くさやがなぜうまいのか?」を解き明かそうとした研究者もおられます。

くさやの研究-Ⅰ.

くさや汁の成分およびくさや汁のくさやの品質に及ぼす影響*
清水亘・望月篤・清水潮・相磯和嘉(1967年9月9日受理)
引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan1932/33/12/33_12_1143/_pdf

完全に余談ですね!アンモニアに戻ります。

他の使い道として、添加物としても食品に使われています。

食品添加物の種類と用途例

イーストフード:パンのイーストの発酵をよくする:リン酸三カルシウム・炭酸アンモニウム

引用元:一般社団法人日本食品添加物協会

膨張剤として、昔から使われているのです。

最後まで情報不足の記事

厳密には、ひと口に「アンモニア」と言っても様々な化合物があります。単に「アンモニア」というだけでは人体に有害かどうかの判別はできません。

冒頭の記事ではあまりにも情報が抜け落ち過ぎていて、何がどう悪かったのかはさっぱりわからないのです。

このような不完全な情報伝達の状態は、記事の終盤になっても変わりません。

オリヴァー氏は、勝訴した裁判により、マクドナルドのファーストフードチェーンでは、本当の肉の代わりに、食用肉から出たくず肉、腱、脂肪、結合組織を混ぜた物から成るペースト状の生地とアンモニアが使用されていることを証明したことになった。

引用元:ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに勝った、肉の正体が明らかに

アンモニアについては、詳しく述べられないままです。多少なりとも情報が増えたのは、動物性脂肪生地に関するものだけ。

それも、食用肉の端肉が使われいてるという一般常識が書かれているに過ぎません。

これを悪意を込めた表現をすると、「くず肉」となるのでしょうが、スーパーマーケットで「特売!牛肉切り落とし」と同じです。

この程度の情報、わざわざ記事にしてまで騒ぐほどのことでしょうか? 食肉業界では、ちっとも珍しいことではないのですが…。

そして、何より、最も重要な「どのような裁判だったのか?」に関する情報が全く出てきません。これでは何の判断もできません。

大騒ぎするほどの記事ではない

とはいえ、ここまでいろいろ書いてはきましたが、私は決してマクドナルドの味方をしたいわけではありません。

そもそも、個人的に私がマクドナルドに行きたいと思うことはありません。今回取り上げた記事の内容がどうのこうのではなく、お金を払ってまで食べたいものがないからです。でも、これはただの好き嫌いなので、記事の内容とは全く関係のない話です。

騒ぐのであれば、まずは詳細な情報を発信してほしいものですね。