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最も死傷率が高い職業は、工事現場ではなく林業

MemoryCatcher / Pixabay

林業の突出した死傷率の高さ

今回のテーマとなっている林業ですが、実は他の仕事に比べて、死傷率が高いことは意外と知られていません。かくいう、私も先日知人から教えてもらうまで知りませんでした。

実際に調べてみて、あまりの過酷さにただただ驚いていました。

2. 林業労働災害の発生率
足場の悪い山の中で伐採木等重量物を取り扱う林業の労働災害の発生率は、災害の発生度合を表す「千人率」で他産業と比べると、全産業の中で最も高くなっています。

引用元:http://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/anzen/iti.html

林野庁も問題をはっきりと認識しています。

労働災害の発生率

実際、平成25年の数値を見ると、全産業平均が2.3なのに対し、最も労働災害発生率の高い林業は28.7。

実に、約12倍です。

その次が鉱業で12.0、三位には木材製造業の11.4と続いています。

林業と木材製造業の危険さがよくわかる統計データです。林野庁としては、隠しておきたい数値のはず。しかし、もはや隠しようがないほどの状況なのでしょう。

林業・木材製造業だけ1ケタ違う

林業・木材製造業労働災害防止協会でも類似の統計資料が公開されています。

産業別死傷年千人率(休業4日以上)

引用元:林業・木材製造業労働災害防止協会

林業と製造業(木材・木製品)だけ、桁が一つ多いのです。

上記2つの統計で扱われている「年千人率」とは、1年間の労働者1,000人当たりにつき、発生した死傷者数の割合を示しています。

ということは、林業従事者1,000人が1年間働けば、毎年30人前後は「休業が4日以上」必要となる負傷をするか、死に見舞われてしまうという数値なのです。

私にできることはないだろうか…

私は別に林業・木材製造業を批判したいわけではありません。日本の山を守るためには、誰かがしなければならない重要な仕事だと理解しているつもりです。

応援したい気持ちは山々ですが、今の私にはできることが思いつきません…。もし、「林業・木材製造業の現場を取材してもいいよ」という奇特な方がおられたら、ご連絡ください。

現場にしかわからない良さを紹介できれば、嬉しいです。

林業従事者を募集する地方自治体

最近では、広島県が林業に従事してくれる人材を募集し始めました。

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1483525848074/index.html

半林半Xにチャレンジする移住者募集!

林業の研修・実践を行いながら、林業以外のしごとづくりに取り組み、将来、半林半Xというライフスタイルを目指す移住者を募集します。

政府が進める地方創生の動きの一環でしょう。類似する人材募集はあちこちで見られます。

今回の募集も他と同じように、

未経験の人のために研修が用意されています。また、移住者が現地に溶け込めるよう支援することも、当然のように書かれています。

募集ページでは、金銭面にも触れられています。

・ 月額17万5,000円の給付(収入の状況により減額となる場合があります。)
・ 移住する際に必要な引越費用の助成 (経費の1/2・上限10万円)

引用元:http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1483525848074/index.html

これを安いと見るか、高いと見るかは、人それぞれかもしれませんが…。

良い面だけを見せる求人はミスマッチを生むだけ

ただ、募集ページに載っているようなハイキングやパラグライダーを楽しみ続けられるかのような打ち出し方は、ミスマッチを生むだけに思えてなりません。

最も、昨今では検索すれば、とりあえずの情報はあっさり手に入ります。下記のような現場を知る人が情報を発信してくれていることも多々あります。

事故率12倍! 新規参入に立ちふさがる「危険な林業」

引用元:http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20160129-00053917/

ですから、ただ単に「田舎暮らし」に憧れる人が気楽に申し込むことはないでしょうが、本当に合った人が林業・木材製造業に就かれることを心から願っています。

それにしても、林業・木材製造業の過酷さ、ロボットが代わりにやってくれるようにならないものでしょうか…。