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コラーゲンは塗っても効果を期待できない?

jniittymaa0 / Pixabay

「…でも…だったら、コラーゲンを肌に塗ることは意味があるんですよね?」

前回、調べもの依頼をくれた女性から、再度依頼を受けた。コラーゲンは食べたところで、あまり効果を期待できないことが前回わかってしまった。

そのことをお伝えしたところ、困り顔の相談者から言われたのが冒頭の質問だ。

ネット上の評判は既に悪い

いつものように検索すると、これまた悲しいキーワードが並ぶ。

「コラーゲン 塗る 効果ない」
「コラーゲン 塗る 意味ない」

今回の相談者からは、もう二度と依頼をされないことも覚悟した方がいいかもしれないな。

そもそも、肌からコラーゲンが吸収されない?

コラーゲンを塗ったところで効果がない理由を美容整形を専門とする医療法人立花クリニックは、こう書いている。

コラーゲンが配合された化粧品や飲料なども販売されていますが、人間の皮膚は簡単に異物を侵入させることはしないので、コラーゲンを外から塗っても皮膚の中には入っていきません。

医療法人立花クリニック:http://www.tachibana-cl.com/aging/lp/supercollagen/

肌に塗ったところで、表面にコラーゲンが乗るだけで吸収されないというのだ。このことに言及しているのは、このサイトだけではない。同様の情報は、他にもたくさん出てくる。

皮膚に直接塗ったコラーゲンはどうでしょうか。タンパク質は皮膚から直接吸収されないので、塗ってもコラーゲンの補充にはなりません。

引用元:医療法人徳洲会 新庄徳洲会病院

Vol.38 コラーゲンは食べても塗ってもお肌は若返りません!

上記は、医療法人徳洲会 新庄徳洲会病院のサイト。どうやら皮膚に関する専門家にとっては、ごく当たり前の情報のようだ。

皮膚が持つバリア機能

言われてみれば当然だが、肌に触れたものをなんでもかんでも吸収するようでは、細菌だらけで有名な携帯電話を使っているだけで、人体が汚染されてしまう。

携帯電話は細菌だらけ、トイレの便座の10倍汚い!

日頃そのようなことにならないのは、人体が持つ「皮膚のバリア機能」が堅固だからだ。しかし、このバリア機能をなんとか乗り越えようと日夜研究を続けている人々がいる。特定の患部に必要な薬剤を届けたい製薬メーカーだ。

皮膚から吸収される成分の特徴とは?

治療を目的として、体内に必要な薬剤を届けようとしても、皮膚が持つバリア機能に阻まれる。人体に悪影響を及ぼさずに、皮膚の奥へ吸収させる方法を探し続けているのだ。

皮膚科学に特化するある製薬メーカーマルホ株式会社のサイトを見ると、さすがにいろいろと詳しく書いてある。医療関係者向けのあるページには、皮膚に吸入されやすい薬の特性が書かれている。

経皮吸収されやすい主薬の特性

  • 分子量が小さい(分子量が500以下)
  • 脂溶性が適度に高い(油水分配係数*が1~4(理想は2~3))

マルホ株式会社:基礎からわかる外用剤

では、コラーゲンはどうか。実は、一つ目の条件すら乗り越えられないのである。

コラーゲンが吸収されない理由

コラーゲンの分子量

分子量が30万もある巨大なコラーゲン分子が表皮というバリケードをくぐりぬけ、真皮の中まではいるとは考えられません。

医療法人社団 鳴海クリニック:http://www.narumi-clinic.jp/cr_show.html?id=76&no=12

コラーゲンを塗っても皮膚の上に乗るだけに過ぎず、吸収はされないのだ。

しかし、化粧品メーカーも黙ってはいない。今度は、「低分子コラーゲン」なるものを開発している。技術的に加工を加え、分子量の小さいコラーゲンを開発したのだ。

それでも、まだ皮膚から吸収されるにはもう一つの条件「脂溶性の適度な高さ」がある。簡単に言えば、適度に脂に溶けることだ。さて、この点でコラーゲンはどうなのか?

皮膚は表皮・角質が物理的にも壁を作っていますので、脂溶性の物質には吸収されるものもありますが、水溶性の成分であるコラーゲンは吸収されません。

南青山スキンケアクリニック皮膚科医師運営:美肌クリニック

悲しい結論である。

コラーゲンは皮膚から吸収されない

結局のところ、コラーゲンは皮膚から吸収するには、分子量が大き過ぎてそもそも皮膚入っていかない物質なのだ。その上、水溶性でもあるため浸透もしていかない。これでは美肌効果など、とても期待できない。

塗ることによる一つの効果

しかし、一つだけ確かな効果がある。保湿性だ。

皮膚の表面に塗ることで一時的な保湿効果はある。ただ、これはあくまで一時的なもの。必要に応じて活用できる場面もあるだろうが、根本的な解決には程遠いと言わざるをえない。

塗っても食べても効果を期待できないコラーゲン

あちこちの店頭に並ぶコラーゲン配合商品はいったい何なのだろうか。

私のような素人が少し調べただけで、効果を期待できないことがよくわかる。専門家でもあるメーカーの研究者に、このことがわからないわけがない。

研究職に従事する方々が自社製品をどのように感じているのか、一度聞いてみたいものである。