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健康を求めて商品を買う前に、必ず一度は見ておくべき3つのサイト

422737 / Pixabay

「サプリメントなどについて、効果がありそうかどうかを自分で判断できるようになるために、できることはないでしょうか?」というご質問をいただきました。

多少の時間さえかければ、今や誰でもある程度のことを調べることは可能です。誰でも専門書や論文にあたることもできるのです。

一度でもいいから自分で調べてみることはとても大事です。その際、参考になると思われる3つのサイトをご紹介します。

「健康食品」の安全性・有効性情報

1つ目は、独立行政法人国立健康・栄養研究所が運営しているサイトです。何らかの商品を「○○が体に良い」とTVやCMで聞いた時には、ぜひともこのサイトで一度は調べてみてください。

ここでは様々な食品や成分について、どれほどの科学的根拠があるのかをまとめた『「健康食品」の素材情報データーベース』を見ることができます。

「健康食品」の安全性・有効性情報のサイトの使い方

使い方は非常に簡単。トップページの右上の検索欄に、キーワードを入れるだけです(下図の赤矢印)。

eiyouken

試しに、CMなどでよく聞くものを調べてみてください。例えば、目に良いとされるブルーベリーや、少し前に流行った水素水などです。

すると、注意書きが表示されるので「同意」をすると、大まかな概要が出てきます。

次に概要の右上にある「すべての情報を表示」をクリックすると、循環器・消化系・糖尿病・肥満・発育などに与える影響について、どれほどの根拠があるのかについての解説がずらっと出てきます。

ここでご自身が「関心を持っている症状」に該当する解説を読むだけでも、十分に有益な情報を得られます。

最後に、一番下までスクロールし、総合評価の「有効性」を確認してください。そこに効果の有効性が書かれています。

根拠がないものは「ない」と明記されている

健康食品としてよく聞くものですら、あっさりと「根拠が見つからない」と書かれているものも多々あります。

例えば「青汁」。

各症状に対する解説はほとんど空白です。根拠となる論文が存在しないのです。結果、最後の総合評価では「根拠として十分な証拠はない」と書かれてしまっています。

だからといって「一切効果がない」とは一概には言えませんが、根拠がないものを信じたいかどうかは個々人にお任せします。

その他コンテンツで「コラーゲン」も暴かれている

上記サイトには、データべース以外にも「基礎知識」「話題の食品・成分」などのコンテンツもあります。

その中には、当サイトでも調べてみたコラーゲンも掲載されています。

コラーゲンって本当に効果があるの?

また、今後より良質な情報を得るために重要なことなどもまとめてくれています。

科学的根拠のある情報とは?

確かな情報を厳選した非常に良質なサイトです。「健康に良いらしいから買ってみよう」と思ったら、まず調べてみることは習慣づけておくといいでしょう。

 

2つ目に紹介するサイトは、こちらです。

疑似科学とされるものの科学性評定サイト

運営:明治大学 科学コミュニケーション研究所

大学が運営しているだけあって、出典となっている論文もきちんと書かれています。また、公開されているものであれば、PDFですぐに見られるものも多々あります。

こちらのサイトでは、健康に関わる「食品」に限定していません。他にも、民間代替医療(磁石磁気療法・鍼灸・デトックスなど)に加え、活性水素水、血液型性格診断、温泉など、扱う分野は多岐に渡ります。

「科学性」のランク付けが大きな特徴

このサイトにおいて、特徴的なのはそれぞれについて「科学性」を5つにランク付けしている点です。

  1. 科学
  2. 発展途上の科学
  3. 未科学
  4. 疑似科学
  5. 判断保留

科学は信頼できる理論もデータも存在し、社会的にも応用されているもの。

逆に、疑似科学は科学を装ってはいるが、理論もデータもなく、社会的に問題になっているもの。

判断保留は「どうにも判断できない」というもの。

問題になるのは、疑似科学です。その筆頭としてわかりやすいのが「サプリメントとしてのヒアルロン酸」です。

ヒアルロン酸

総評:疑似科学

ここでも明記されています。

ヒアルロン酸については、当サイトでも調べたことがあります。この時も少し調べただけで、同じ結論に至っていました。

「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」には批判もある

このサイトはいくつかの研究について、「疑似科学だ」と評定するものです。「科学ではない」と言われてしまった側からすれば、たまったものではありません。

しかも、「科学か否か」という基準は明確に線引きできるものでもありませんから、当然批判の声もあります。

ですが、私は「現時点で根拠となる理論やデータがない」ものは、変に広がらない方がいいと考えています。広がると、消費者を期待させるだけの怪しい商品が増えるだけですから…。

 

3つ目に紹介するのは、こちらのサイトです。

FOOCOM.NET

科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体 一般社団法人「Food Communication Compass」が運営する記事サイトです。様々な分野の専門家が多様な知見で良質な記事を書いてくれています。

2012年のピンクスライム問題では、今なお通用する記事を作成

FOOCOM.NETの森田満樹氏は、2012年にマクドナルドのピンクスライムが炎上した時でも、事態を冷静に見てくれていました。

米国で大騒ぎ、日本への影響は?「ピンクスライム」問題

2012年4月20日

マクドナルドのピンクスライムについても、当サイトで書いたばかりです。

マクドナルドの「ピンクスライム肉」事件再燃! そこまで騒ぐ必要あるの?

「ピンクスライム」「アンモニア」という一見わかりやすく感じる表現ほど、気を付ける必要があることがよくわかる事例です。

個人的おススメは、編集長を務める松永和紀氏の記事

中でも、編集長を務める松永和紀氏は、非常にシビアに、冷静に記事を書いてくれています。

例えば、一時期に一部の人が大騒ぎした「山崎パンの防カビ剤」についても、とても冷静に記事をまとめてくれています。

山崎製パン カビさせないもう一つの技術

工場の衛生管理のレベルの高さと、カビが生えにくく食味・風味を長持ちさせるための製法によるものだと、はっきりと書いてくれています。

他にも、2015年に始まった「機能性表示食品」についても、その根拠が非常に弱いことを調べてくれています。

非常に弱いエビデンス、わずかな効果の機能性表示食品、買いますか?〜制度開始3カ月で思うこと

こういった記事を読んでおくことで、効果を期待できない商品を買わずに済むようになるでしょう。消費者が賢くなればなるほど、売り手はごまかしがきかなくなりますから。

識者の知識を借りて、賢い消費者になりましょう!

世の中には私が知らないだけで、上記のみなさまのような良質な記事を書いている方がたくさんおられるのだと思います。そのような方々の情報こそが、手軽に消費者の方々へ届くことを願っています。

そして、なにより、せっかく使いやすいようにまとめてくれているわけですから、ぜひ活用させていただきましょう!

マクドナルドの「ピンクスライム肉」事件再燃! そこまで騒ぐ必要あるの?

deborahmiller56 / Pixabay

数年前に、ネット上を駆け巡った米国マクドナルドの「ピンクスライム肉」。その後、動きがあったようで、また注目をされています。

ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに勝った、肉の正体が明らかに

引用元:ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに勝った、肉の正体が明らかに

フェイスブックで何人もの知人がこの記事を紹介していますし、ブログで大騒ぎをしている方もおられます。

しかし、正直なところ、この記事を読んだだけでは、私には何が問題だったのかがよくわかりません。どういう裁判だったのかすら、調べても出てこないのです。

「動物性脂肪生地」と「アンモニア」は問題か?

上記の記事の書き出しには、こうあります。

オリヴァー氏が勝訴した裁判により、マクドナルドのハンバーガーの「肉」が、動物性脂肪生地とアンモニアから作られていることが証拠付けられた。

引用元:ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに勝った、肉の正体が明らかに

この一文だけで盛り上がっている人もいるようです。この中で、重要な情報は2つ。「動物性脂肪生地」と「アンモニア」です。

「動物の体内にある脂肪を固めた」だけ

まずは定義を調べてみました。

動物性脂肪

魚介類を含む動物の乳,肉,卵などの脂肪.

引用元:コトバンク

ごくごく身近なものです。この意味だと何の危険性も感じません。他のサイトでも調べてみましょう。

動物の体内に主に含まれている脂肪を動物性脂肪(英:Animal fat)という。

引用元:Wikipedia

ということは「動物性脂肪生地」とは、そのまま解釈すれば「動物の体内にある脂肪を固めた生地」となります。日頃から食べている食材にも含まれている動物性脂肪で作られた生地の一体何が問題なのでしょうか。

「アンモニア」だけで「危険」だと断定できない

では、アンモニアはどうでしょう? たしかに大量に吸い込んだり、皮膚に付着したりすると、危険な物質ではあります。しかし、度を越えた量が危険なことはどんな物質にも言えることです。

実は、身近にアンモニア成分を含む食品は存在しています。臭いがきついと言われるものが代表的です。

例えば、納豆。

アンモニアそのものは微生物の代謝の結果なので多くてもかまわないのですがいやなにおいは困ります。

引用元:道南平塚食品株式会社

納豆独特のあの臭いは、アンモニアだったのです。

他にも、くさややチーズなども同様です。発酵食品の中には、アンモニア成分が含まれていることは珍しいことではありません。

ちなみに、余談ですが「くさやがなぜうまいのか?」を解き明かそうとした研究者もおられます。

くさやの研究-Ⅰ.

くさや汁の成分およびくさや汁のくさやの品質に及ぼす影響*
清水亘・望月篤・清水潮・相磯和嘉(1967年9月9日受理)
引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan1932/33/12/33_12_1143/_pdf

完全に余談ですね!アンモニアに戻ります。

他の使い道として、添加物としても食品に使われています。

食品添加物の種類と用途例

イーストフード:パンのイーストの発酵をよくする:リン酸三カルシウム・炭酸アンモニウム

引用元:一般社団法人日本食品添加物協会

膨張剤として、昔から使われているのです。

最後まで情報不足の記事

厳密には、ひと口に「アンモニア」と言っても様々な化合物があります。単に「アンモニア」というだけでは人体に有害かどうかの判別はできません。

冒頭の記事ではあまりにも情報が抜け落ち過ぎていて、何がどう悪かったのかはさっぱりわからないのです。

このような不完全な情報伝達の状態は、記事の終盤になっても変わりません。

オリヴァー氏は、勝訴した裁判により、マクドナルドのファーストフードチェーンでは、本当の肉の代わりに、食用肉から出たくず肉、腱、脂肪、結合組織を混ぜた物から成るペースト状の生地とアンモニアが使用されていることを証明したことになった。

引用元:ジェイミー・オリヴァーがマクドナルドに勝った、肉の正体が明らかに

アンモニアについては、詳しく述べられないままです。多少なりとも情報が増えたのは、動物性脂肪生地に関するものだけ。

それも、食用肉の端肉が使われいてるという一般常識が書かれているに過ぎません。

これを悪意を込めた表現をすると、「くず肉」となるのでしょうが、スーパーマーケットで「特売!牛肉切り落とし」と同じです。

この程度の情報、わざわざ記事にしてまで騒ぐほどのことでしょうか? 食肉業界では、ちっとも珍しいことではないのですが…。

そして、何より、最も重要な「どのような裁判だったのか?」に関する情報が全く出てきません。これでは何の判断もできません。

大騒ぎするほどの記事ではない

とはいえ、ここまでいろいろ書いてはきましたが、私は決してマクドナルドの味方をしたいわけではありません。

そもそも、個人的に私がマクドナルドに行きたいと思うことはありません。今回取り上げた記事の内容がどうのこうのではなく、お金を払ってまで食べたいものがないからです。でも、これはただの好き嫌いなので、記事の内容とは全く関係のない話です。

騒ぐのであれば、まずは詳細な情報を発信してほしいものですね。