「ダイエット」という言葉はよく聞きますが、この言葉の意味について考えたことがありませんでした。
漠然と「痩せること」という程度の理解しかなかったのです。
しかし、化粧品やサプリメントなどを調べる中で、よく見かける言葉だったので調べてみました。
日本語辞書の意味は「食事制限」
まずはいつものように辞書で調べてみました。
すると、さっそく私の勘違いが判明しました。
ダイエット(diet) 健康または美容上、肥満を防ぐために食事を制限すること。
引用元:コトバンク-「ダイエット」
なんと「痩せる」という意味ではないのです。
「ダイエット=痩せる」といった思い込みが私にはあったのですが、それはどうやらごくごく最近の変化のようです。
では、その根源をたどってみましょう。
語源は「生活様式」を表すギリシャ語
日本語のダイエットは、英語のdietから生まれた言葉です。
では、英語のdietの意味はなんなのでしょうか。
調べてみると、もともとは日常の食べ物を表すギリシャ語だったようです。
(出典:語源由来辞典-ダイエット)
だからこそ、英和辞典でdietを調べると、まず最初に
a meat diet (肉食)・a vegetable diet (菜食)
といった用法が出てきます。
元々は痩せることと、直接かかわる言葉ではなかったのです。
飽食時代が生んだ「減らす」という意味

次に出てくるのが「(治療や体重調節のための)規定食」「食餌(事)療法」「食事制限」といった意味です。
ここでもまだ「痩せる」に直接かかわる言葉はありません。
むしろ、療法とするからには、症状によっては体力をつけるために「もっと栄養のある物を食べましょう」という話も当然出てくるでしょう。
しかし、現在の日本は、飽食の時代。
現代人は食べ過ぎによって、病になることが少なくありません。
だから、治療のための食事を考えると「〇〇の摂取量を減らす」といった意味合いに自然となりがちなだけなのですね。
決して、食べる量を減らすことがダイエットではないのです。
痩せるためには「ダイエット」では明らかに足りない
仮に、ダイエットの意味が食事制限であれば、「痩せる」という目的を果たすには、明らかに足りません。
たしかに、食事は重要です。
しかし、食事以外にも日々の運動や生活リズム、ストレスの具合など、様々な要因に私たちは影響を受けています。
そのうちの一つを取り上げて、力を注いでも大した効果は得られないでしょう。
むしろ、食事以外のものを少しずつ組み合わせる方が明らかに有効ではないでしょうか。
それにしても、言葉の変化は本当に興味深いですね。
「情報」という言葉を調べた時にも感じましたが、原型がわからないほど変化してくのですから、実に興味深いものです。