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ノーベル賞受賞成分のEGF配合化粧品は効果があるのか?

化粧水

「ノーベル賞受賞成分のEGF配合化粧品って、効果ありそうですか?」という今回の調べもの依頼をくれたのは、お年頃の女性です。

何かと、美容に関連する調べもの依頼数多く寄せられます。

女性陣の関心の強さを伺わせますね。

そもそもEGFとは何か?

聞いたこともなかったので調べてみると、かなり本格的に研究が進んでいる分野のようです。

EGFの実験結果を公開している日本EGF協会という組織も存在しています。

協会のサイトには、きちんと「EGFとは何か?」を書いてくれています。

正式には「Epidermal Growth Factor」 という成分。

日本語にすると「上皮細胞増殖因子」。

これが何かというと…

皮膚の表面にある受容体と結びつき、新しい細胞の生産を促進する、体内で形成されるタンパク質の一種です。

引用元:日本EGF協会-EGFとは?

とあります。

細胞を作る働きを促進するタンパク質のことなのですね。

発見者がノーベル生理学医学賞を受賞していることから「ノーベル賞受賞成分」などと表記されているようです。

恒例の分子量チェック!6000もあるから浸透しない

コラーゲンやヒアルロン酸を調べた時に明らかとなった「肌が吸収する成分の分子量」。

今回も調べてみました。

分子量 6,000

引用元:和光純薬工業株式会社

少なくとも、肌から浸透していく成分ではないようです。

だからといって、すぐに「効果なし」という結論に至るわけではありません。

ヒアルロン酸のように皮膚の表面に付着して、一時的に潤いを保つ役割を担うこともあるからです。

ただし、今回はあくまで「細胞を作る働きを促進する」物質です。

それが肌の表面に乗っているだけで、果たして効果を期待できるのでしょうか。

針やレーザーで穴を開けて、肌の奥に届ける必要がある

穴
TeroVesalainen / Pixabay

調べていく中で、驚いたのが美容外科で実施されているとある療法です。

なんと針やレーザーを使って、わざわざ皮膚に微細な「穴」を空けて、EGFを浸透させるのです。

というより、物理的に穴を空けないと、浸透していかないのです。

それほど、皮膚が有するバリア機能は物質を通さない強固な壁というわけです。

上記の医療法人のサイトにも

成長因子は、お化粧品のように素肌に塗るだけでは真皮層に浸透しません。

引用元: 医療法人社団 形成会 酒井形成外科

とはっきり明記されています。

やはり、今回のEGFという成分もコラーゲンやヒアルロン酸と同じように、皮膚の中に直接注入でもしない限り人体に影響を与えられないのです。

化粧品に大きな期待をするのは、分の悪い賭け?

今までいくつかの美容成分を調べてはきましたが、どれもあっさりと反対意見に出会います。

こうなると、化粧品に対して「何らかの特別な効果」を求めること自体が間違っているように思えてきます。

もっとも、医薬品や医薬部外品ほどの効力がないからこそ、化粧品という分類なのですから、当然かもしれません。

では、結局のところ、どうしたら肌を良い状態にできるのでしょうか。

今後は、そのための具体策を調べていきます。

化粧品が浸透していいのは皮膚の表面0.02mmだけ

化粧品

「肌に塗ると吸収されて、効果に繋がる」と謳っている商品を数多く見かけます。

しかし、コラーゲンなどの美容商品を調べると、皮膚への吸収はあまり期待できないことがわかってきました。

では、この皮膚は、いったいどのような構造をしているのでしょうか。気になって調べてみました。

皮膚の表面で重要な働きをする角質と皮脂のブロック塀

「肌のテカリ、脂っぽさを抑えたい」といった肌のお困りごとの一つとして、よく悪者扱いされてしまうのが皮脂(ひし)。

しかし、皮膚の一部としては、非常に重要な機能を果たしています。

それが「防壁と保水」です。

皮膚の最も表面に存在する「角質層(かくしつそう)」で、細胞同士をつなぎ合わせるように詰まっているのが皮脂なのです。

これにより外界と遮断しながら、また皮膚内部の水分を保つ役割を果たしています。

よく例えられるのは「角質がレンガ、皮脂がセメント」という説明です。

この頑丈なバリア機能があるからこそ、そう簡単には外界からの異物を侵入させないのです。

角層は同じ厚さのプラスチック膜並みの水の通しにくさを持っているのです。

引用元:角質層(表皮の中で最も外側の層)の解説と働き

だからこそ、人は日々様々なものに触れながら、病気にならずに生きていけるのです。

触れたものを見境なく体内に吸収していたら、とても生存していられません。

実は、化粧品が活躍する舞台は0.02mmの角質層だけ

この角質層、とっても薄いものです。

皮膚表層の平均約0.02mmしかありません。

その薄さから、ラップ一枚分とよく表現されます。

化粧品や美容液などの広告では、皮膚の奥深くまで吸収されているかのような表現を見かけますが、あれはあえて誤解されるような演出をしているに過ぎません。

皮膚の構造

上図の黄色い部分にしか作用しないのです。

いくらなんでもあまりに狭い…。

もっと言えば、薬機法(旧・薬事法)によって角質層の奥にある真皮層に浸透させる作用を謳うことは禁止されています。

化粧品の作用が及ぶ範囲は、角質層までとなっているため、真皮に浸透し作用する内容の広告はできません。

引用元:京都市-化粧品に関する事例

それより奥は、医薬品の領域なのです。

厳しい基準のようですが、人体に有害な物質を体内に送り込むような商品が出てこないようにするためには、必要な措置といえるでしょう。

浸透するには分子量500以下という条件もクリアする必要がある

法律による規制があるからとはいえ、皮膚のごく表面に乗るだけのものにどれほどの効果が期待できるのでしょうか。

広告の表現として「浸透」と書けないだけで、本当は浸み込んでいるのでしょうか。

しかし、この点においても、吸収される分子量の問題も残っています。

分子量が500以下でないと真皮まで届かないことは、コラーゲンについて調べたときに判明したとおりです。

分子量の問題で、真皮まで浸透しない成分の一部をまとめてくれているサイトがありました。

<分子が大きくて肌に浸透しない美容成分>

コラーゲン(分子量10万)、ヒアルロン酸(分子量:100万)、EGF・FGF(分子量:6000)、タンパク質(分子量:5000~4万)

引用元:東洋美容鍼灸院|美容成分の浸透

これらはあくまで皮膚の表面に乗るだけなのです。

化粧品の効果とは果たして…

調べれば調べるほど、これほど疑問が湧いてくるとは思っていませんでした。

昨今、様々な美容成分が次々と出てきていますから、それなりに科学的な根拠があるものだと思っていました。

実際、研究者の方々が実験する場合には、何らかの効果は出ているのだと思います。

だからこその研究論文です。

でも、その効果を商品がどこまで再現できているのかは別なのかもしれません。

ヒアルロン酸もただ塗るだけであれば表面の保湿にしかなりません。

しかし、「皮膚の下に注射」といった使い方をすることで、役割が大きく変わることなどはその一例でしょう。

果たして、ただ表面の0.02mmに留まるだけの化粧品にはいったいどれほどの期待ができるのか…。

引き続き、希望のある情報にあたるまで調べ続けます。