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天職と出会うためにアドラー心理学を活かせた人の話

tensyoku

今やすっかり有名になったアドラー心理学。2013年に『嫌われる勇気』が発売されて以来、一躍有名になりました。その反響はとても大きく、舞台化やドラマ化までされるほどです。

ただ、個人的には「ブームが早く静まらないかな」と思っています。

このアドラー心理学「実践が難しい心理学」と言われています。

アドラー心理学を理解し、実践できるようになるには「それまで生きてきた年数の半分の時間がかかる」とさえいわれているほどです。

引用元:『嫌われる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教え』

一過性のブームで、アドラーのメッセージを曲解した人が「ただ嫌われる人」にならないことを願うばかりです。

アドラー心理学の貴重な実践者を見つけた

実践が難しいアドラー心理学ですが、偶然読んだ本でその実践者を見つけました。

発達障害の「生き方」研究所というブログの運営者の岩本友規氏です。

彼の著書『発達障害の自分の育て方』を読んで、「まさにアドラー心理学の実践者だ」と驚きました。

岩本氏は、ご自身が発達障害(ADHD、アスペルガー症候群)で薬を飲みながらも、社会で活躍されています。この本は、彼が自分とどのように向き合い、活かし方を築いてきたのかを書いてくれている良書です。

以下が本の目次です。

【目次】

1章 大人の発達障害克服体験記

2章 あなたはこれからどう生きる?大人の発達障害の現実と未来

3章 大人の発達障害克服マニュアル

Part1 脳疲労をとって、改善の意欲をとり戻す
Part2 自立してストレスに負けない心身をつくる
Part3 天職を探す

『発達障害の自分の育て方』主婦の友社

天職探しをする前に必要なのは「自立」

私が注目したのが3章のPart2~3です。天職探しをする前にやるべきことがあると書いておられます。

それが「自立」

しかし、ここでいう「自立」は辞書的な意味ではありません。

じ‐りつ【自立】

他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。

引用元:デジタル大辞泉

上記のような「自立」に至る前に、まず心理的な自立を築く段階があるのだと、岩本氏は書かれています。

やはり本当の自分の生き方をするためには、まず自己本位で生きる

引用元:『発達障害の自分の育て方』 P.118

「自己本位に生きろ」というと、「自分勝手に生きろというのか?」とお怒りになる方もおられるかもしれません。

しかし、人間は本来自分勝手な存在です。その怒りも、自分で勝手に抱いた感情であることもその一つの証ともいえるでしょう。

自己本位な生き方が結果的に天職へと繋がる

自己本位になることで、自分に許可できるようになるのが「他者の目を気にせず、感情のおもむくままにやりたいことをやってみる」というもの。

初めは「どんな評判をささやかれるのだろうか…」と怖さを感じることでしょう。しかし、結果的に、大半の人からは全く関心も注目もされないものです。

それどころか、一部の方々からは強い共感を示してもらえるかもしれません。もっとごく一部の方からは「助かった」と感謝されるかもしれません。

その時、自己本位な生き方は、結果的に「他者貢献」になるのです。そう、アドラー心理学における「幸せ」を形作るうえで、要となる「他者貢献」です。

貢献感を持てて、なおかつ自分がやり続けたくなる仕事こそ、天職ではないでしょうか。

『嫌われる勇気』の続編『幸せになる勇気』で岸見氏はこのように書いておられます。

利己心を追求した先に、「他者貢献」があるのです。

引用元:『幸せになる勇気』 P.119

この一文で岸見氏が伝えたいことは岩本氏と同じだと、私は理解しています。

必要とする人が見つけてくれる

私の友人に研究者をめざして、日夜研究に励んでいる人がいます。しかし、彼の研究分野は「すぐに誰かの役に立つ」といったものではありません。

非常にマイナーな分野なので、日頃は注目されることもありません。加えて、同業の研究者の数も非常に少ないそうです。

その世界で生きていく上で、恩師が教えてくれた大事なことが下記の言葉。

「私たちの研究はすぐに人の役に立つことはない。しかし、研究を続けていれば、世界中の誰かが私たちの研究を見つけてくれる。

だから、発信していきなさい。論文を書きなさい。必要としてくれる人が必ず見つけてくれるから」

これは研究者だけでなく、全ての人に通じるメッセージではないでしょうか。

やれる範囲でいいからやりたいことをやる

人から理解されなくても、自分がやってみたいことがあれば、やれる範囲でいいのでぜひ試してみてください。それを必要とする人が世界にはきっといますから。

その時こそが、天職に近づく時となるでしょう。